絆~CUTE LOVE~
「咲玖っ!」
廊下の方から咲玖ちゃんの名前が教室に響き渡り、ドアの方を見てみると仁王立ちでこちらを見ているちぃちゃんこと【朝倉 千鶴‐あさくら ちづる‐】姉。
苗字で分かるように皆からちぃ姉と呼ばれているちぃちゃんはあたしのお姉ちゃんなんです。
あたしとは正反対で背が高く美人でこの東山高校の生徒会長を任されてるんです。
「ちぃ姉 どうしたの?急に
1年の教室に来るなんて珍しいじゃん」
そう言いながらちぃちゃんの側まで駆け寄る咲玖ちゃん。
「急にって…メールもしたし
さっき 寛太にも頼んだんだけど…」
呆れたように溜め息を溢し、腕組みをするちぃちゃん。
「ごめん ごめん
そんな呆れないでよ~」
「それより あのメール何?
今日の放課後ヒマか?ってやつ…」
「あ、あー…あれねー
実はゆんちゃんから頼まれちゃってさ~
今日の放課後にちょっと会わせたい人がいるって」
「会わせたい人?」
ちぃちゃんは訝しげに咲玖ちゃんに聞き返します。
「そっ♪ だから放課後空けといてね~ ちぃ姉の事だから来たらすぐ分かるよ♪」