絆~CUTE LOVE~
ひょいっと桜ちゃんのお弁当から卵焼きを一つ摘んで食べる咲玖ちゃんを見て叫ぶ桜ちゃん。
「ん~美味い♪
みあママお手製卵焼き」
「な、なんて事を……!!
最後の楽しみにとっておいたのにぃっ」
「残念♪
ガードが甘いのよ」
お箸を握りしめ、悔しそうに咲玖ちゃんを見る桜ちゃん。
でも、直ぐに何かを思い出したかのように閃いた顔をする。
「千夏の貰ってくればいいんだ!!
あたしと同じでまだ弁当の中に残ってると思うし
あったま いい~♪」
「えっ夏くんのから?
でも 夏くんだって楽しみにしてとってあるんじゃ…」
不安そうな顔をするあたしに、桜ちゃんは笑顔で立ち上がり言う。
「大丈夫 大丈夫♪
こんな時こそ 姉の肩書をつかわなきゃ」
「うっわ…
最悪だ こいつ」
呆れたように言う咲玖ちゃんだけど、すぐに何か思い出したようだった。
「あっでも千夏 早弁してたよ?2時間目体育だったから ねっ 千夏」
そう言うと咲玖ちゃんは桜ちゃんの少し上を見て、この場にいないはずの夏くんに尋ねるように言った。