いつも強いあなたへ

本当のこと

朝のファミレスに暗い顔した若い男女が二人。


端から見たら別れ話をしてると思われたに違いない。


ちなみにユカさんは店の中では黒いニット帽を被っていた。


ユカさんはテーブルで向かい合っても悲しそうな顔でずっと下を向いていて、目を合わせてくれなかった。


「ユカさん」


俺が声を掛けると、驚いたように一瞬ビクッと肩をすくめて、上目遣いでようやく俺の目を見てくれた。


いつもの明るいユカさんの姿はそこにはなかった。


「本当のこと、話してもらえますか」


ユカさんはコクンとうなずいた後、ようやく重い口を開いた。


「ヒロ、今まで黙っててごめんね。実はアタシ・・・」
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