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情報収集

その日の夜、俺はプロレス好きな友人・義男に電話をした。


「おい義男、おまえダーティー・ユカって女子プロレスラー知ってる？」


「ああ。知ってるも何も、新女のトップヒールじゃねーか」


「ヒールって何？」


「オイオイ、そんなことも知らねーのかよ。悪役のことだよ」


ユカさんは悪役なんだ。それでダーティー（汚い）なのか。


「こないだ深夜の放送でビューティー伊東と髪切りマッチやってたな。普段あんなメイクしてるからアレだけど、俺はダーティーの素顔は結構美人なんじゃねーかと思ってるよ」


「おまえ、鋭いよ」


俺は心の中でつぶやいた。


「それよりおまえもついにプロレスに目覚めたのか。じゃあ早速今度一緒に新女の試合観に行くか？」


「いや、遠慮しとくわ。ニートと遊んでる暇ねえし。じゃあな」


「何なんだよおまえは！」


そう言って俺は電話を切った。
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