いつも強いあなたへ

入場

場内に音楽が掛かり、パートナーらしき太めの金髪女性がチェーンを振り回しながら入場してきた。


そして、その後ろに長身の女性のシルエットが見えた。


「ユカさんだ！・・・ええっ！！？」


ユカさんは真っ黒のガウンに全身を包み込み、竹刀を片手にゆっくりと入場してきた。


驚いたのはメイク！


眉毛から鼻筋に繋がるライン、濃いアイシャドウ、黒のルージュのいわゆる極悪メイク。


そして極めつけは顔の右半分に施された蜘蛛の巣のようなおどろおどろしい模様だった。


「これがあのユカさん・・・？」


戸惑いを隠せない俺の隣で、春日さんは冷静にユカさんの入場を見つめていた。