いつも強いあなたへ

ある事件

そんな具合で、ユカさんとの距離が変わりつつあったとある火曜日。


仕事中にある事件が起こったのだ。


いつものように俺が配送作業をやっていると、ガタイのいい二人組の男が店に入ってきた。


その二人組の一人がレジにいるユカさんに気づくや、店中に響きわたるような大声でこう話しかけた。


「あれ~?オメー、ひょっとして新女のダーティー・ユカじゃねーか?何してんのこんなとこで」


ユカさんはニコニコしたまま何も答えなかった。


「ハハハ、ウケるなオイ!女子プロじゃ食えねーからこんなとこでバイトしてんのか」


そいつはユカさんを挑発するようにそう言い放った。


ユカさんはニコニコしたままだったが、その瞬間、俺は自分の意思とは無関係にそいつらの前に飛び出していた。
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