おもいでぽけっと
「えっと…」


紗那には言うべきだよね…。


「無理しなくていいよ…!」


紗那はそう言ってくれた。


…言おう。


「いいの。紗那にはいづれ言わなきゃと思ってたから。


あたし、小6の時…虎太郎が好きだったの。


席替えで隣になった時はすごくうれしくて、虎太郎と会うために…話すために…学校に言ってたようなものだった。


そんな時、お父さんの仕事の都合で今住んでるところに引っ越さなきゃならなくなっちゃったんだ…。


もちろん、みんなとも…虎太郎とも…離れたくはなかったよ?


でもね、小学生のあたしにはただ親についていくことしかできなかった…。



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