おもいでぽけっと
「悪い。なんでもない。あいつら探しに行ってきて。」


虎太郎はそう言ってあたしの手を離した。


「…じゃあ、行ってくるね。」

「お…おう。」


あたしはその場から逃げ出すように走った。


「…ハァ…ハァ…ハァ…

…今の…何だったの…?」


思わず声に出してしまうほど、あたしは今起こったことがちゃんと理解できなかった。


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