かくれんぼ - 大人になりきれない大人たち -


正紀が来てくれなかったら私、どうなってたんだろうね?

1人で抱え込むにはあまりにも重過ぎる現実。


「とりあえず帰ろう。大地は俺がおぶってく」

正紀は大地を起さないように抱き上げた。

「美来?」

その場から動かない私の方を正紀が振り返る。

「…正紀。もし無理なら、正直に言って?」

「ん?」

「私、別れてもいいよ?」

「は!?」

「だってバツイチ子持ちってだけでも十分 重い女でしょう? 加えて大地がこんな病気になるなんて…っ」

「美来」

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