かくれんぼ - 大人になりきれない大人たち -
「お姉ちゃん!」
「ごめんね、急に来ちゃって」
「ううん。でもどうしたん…」
「今日は私だけじゃないのよ」
「え?」
私はお姉ちゃんの後ろにいるもう1人の人物に気づく。
「お父さん…」
それは私の父親の姿だった。
「あ~、おじいちゃんだ!」
それに気づいた大地が部屋の奥から飛び出してくる。
「大地、元気だったか?」
「うんっ」
「後でおじいちゃんと遊ぼうな。…美来、ちょっといいか?」
深刻そうな父親の顔。
「うん? 大地、少し奥で遊んでてくれる?」