かくれんぼ - 大人になりきれない大人たち -
「…!」
「幼なじみの正紀君…、だっけ?」
そこまで知られてるなら、もう隠す意味もなさそう。
私は渋々頷くことにした。
「悪いことは言わない。早く別れなさい」
「…!!」
「もっと真剣に将来を考えられる人にしたほうがいい」
「は? 私たち、真剣に…っ」
「正紀君は 大地の事までちゃんと考えてないだろう?」
「そんなことないよ」
「じゃあ、どうやってお前と大地を養う? 定職にも就かずフラフラしてるんだろう?」
「今はそうだけど、正紀には夢があって…」