かくれんぼ - 大人になりきれない大人たち -

「でも 俺も大地の父親として…」

「ありがとう。でも大丈夫だから!」

「大丈夫じゃないだろ」


この数ヶ月で修二はだいぶ変わったみたい。

ずいぶんマトモになったというか…、表情もなんだか柔らかくなった。


「あ、ヤベ! そろそろ戻らないと」

修二は腕時計を見て慌てた様子でそう言う。

「仕事? 頑張ってね」

「美来、また今度ちゃんと話し合おう。お金のことだけじゃなくて」

「え?」

「大地の病状、俺も知ってたいんだ」

「でも…」

「携帯番号、変わってないから。待ってる」

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