かくれんぼ - 大人になりきれない大人たち -
「…」
「なのに、俺がいきなり現れてあんなこと…。悪かった」
正紀は私の手を離して、そう頭を下げる。
「私こそごめん。ちゃんと話して出て行けば良かったのに」
「いや」
「修二とはこの間 偶然再会して…」
「何となく分かってたよ」
「え?」
私は正紀の言葉に顔を上げる。
「大地がここ最近、父親の話ばかりしてたから」
「そう…、なんだ」
「パパは優しい人なのか、怖い人なのか分かんない… って」