かくれんぼ - 大人になりきれない大人たち -
「ありがとうございます!」
私は店員さんに頭を下げ、教えてもらった方向へとダッシュする。
…こんなことは日常茶飯事。
仕方ないよ、私は " ママ " なんだから。
「どう? ちゃんと出た?」
「うんっ」
大地の笑顔にホッと胸を撫で下ろす。
「じゃあ 買い物の続き…」
『ええ~っ! マジで!?』
パウダールームのほうから聞こえてきた甲高い声。
チラッとそっちのほうを見ると、若い女の子が2人メイクをしながら話している。
見た目からして私と同じくらいの歳。