かくれんぼ - 大人になりきれない大人たち -
「メアドでも教えてもらおうと思ってさ」
「メアド? 何の為に?」
「何ってせっかく再会したんだし」
「1夜限りの関係なら、さっさと消えたほうが良いでしょ?」
「美来…」
私は正紀から背を向けた。
本当は嬉しいのに。
嬉しいけど、私はもう…。
「美来、俺は嬉しかったよ」
「え?」
「美来とまた会えて」
「…」
「あの夜のことは悪かっと思ってる。酔っ払ってる奴相手に、卑怯だよな?」
「うん、卑怯っ!」
私はプイッと正紀から視線を外す。