かくれんぼ - 大人になりきれない大人たち -

いつものように大地をお姉ちゃんの家に預けていた私。

迎えに行く約束だった時刻を1時間も過ぎてしまった。


「ママ、おそ~い」

拗ねたようにそう言う大地。

私はその頭を優しく撫でる。

「ごめん、遅れちゃって。お姉ちゃんもごめんね!」

「私は大丈夫よ。愛美も大地君が一緒で喜んでるし」

愛美とは6歳になるお姉ちゃんの1人娘のこと。

「あ、それより…」

「?」

「今、お父さん来てるんだけど」

「ええっ!?」

私はお姉ちゃんの言葉に、反射的に隠れようとした。

だって…

父親とは合わす顔がない。

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