かくれんぼ - 大人になりきれない大人たち -
「?」
「約束なしにこんな所で会えるなんて、あれじゃん?」
「あれ?」
「運命」
「は? ふざけ…」
「まあ いいじゃん。飯くらい少し付き合えよ」
少年のような笑顔とその強引さ。
私は不覚にもまた何も言えなくなってしまった。
だけど 少しして冷静さを取り戻す。
「待ってよ。私、大地を置いたままで…」
「ま~た大地? 犬でも飼ってんのか?」
「とにかくっ、コンビニに来るつもりで出てきたの。すぐに帰らないと」
「じゃあ10分でもいいよ」
「10分?」
「こうして話しながら歩くだけでいいんだよ」