かくれんぼ - 大人になりきれない大人たち -


彼がタバコ吸うのって、すごく違和感がある。

何故か嫌悪感さえ覚えるんだよね。

私の中での正紀は、今もまだ少年のままなのかもれないね。




「ねぇ、正紀」

「ん?」

「どうして人って綺麗なままで生きてけないんだろうね?」

何となく口を出た言葉。

私の言葉に正紀は首を傾げる。

「美来はそんなに汚れたのか?」

「だ~って、変な男に引っ掛かって大失敗したんだよ? この歳でシングルマザーなんだよ?」


結婚する前だって、決して綺麗な道を歩んできたわけじゃない。

色んな人と付き合ったりもした。

寂しさを紛らわすために、誰かと体を重ねた夜もあった。

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