一人鬼ごっこ

「疲れた……」

 今俺は、自分の部屋に居る。
 時計は夜の9時を差している。

 警察にはなんやかんや聞かれるし、マスコミにもなんやかんや聞かれるし……。

 ……千秋、大丈夫かな。

 そう思った時、携帯が鳴った。

「千秋っ!?」

 俺はそう叫びながら携帯をとった。

『……うんもしもしダーリン千秋だよー』

 …………。

「あほ慎」

 電話の相手は慎だった。

『ばれた?』

「いや普通に分かるから」

 俺はきっぱりと言った。

『まあそれは置いといて』

 その言葉と同時に、ゴトンと何かを置いた音が聞こえた。

 お前、今何置いた!?

『事件の事だけど、あれ本当?』

「……本当だからこんな騒ぎになってんだよ」

『皆テレビデビューしたのに、俺だけしてないんだけど』

「知るかっての」

 慎はいつも通り話してくれるので、俺も不思議と自然に話せる。

『千秋なんでしょ、次』

「ああ……そうなりそうだな」

 次の行方不明者……。

『守ってあげるんだよ』

「分ーかってるよ」

『ふーん、じゃ』

 電話が切れた。

「……早」
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