一人鬼ごっこ
『日本の未来が心配だわ〜、ねぇ椿』 

 ニュースを見ながら俺に話し掛けた、金髪のロングヘアーの女性。

 まぁ、俺の母親だ。

 もう40代なのに金髪って……あり得ないだろ。
 いつもそう言ってるのだが、母親は聞く耳持たず。
 だからと言って、悪い母親でも無いんだけどな。

 ――ってそんな悠長な事言ってる場合では無かった。
 リビングの壁にある時計を見た。

 あっ、もうHR終わってる……やばいかも。

『椿も気を付けなさいよ?』

「あーはいはい、行ってきまーす!」

 俺は母親の言葉に適当な返事をして、家を出た。

 1時間目は数学だ。
 数学の先生厳しいんだよな!

 俺は足を速めた。

 そういえば母さん、何を気を付けろって?
 ……行方不明がどうとか言ってたな。
 まぁ近くで起こっている事とは言っても実感湧かないよな。

 そんな事を思いながら、学校に着いた。
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