一人鬼ごっこ
『うわぁ……』

 見ると、皆が俺を哀れな目で見つめている。

 う……わぁぁん!!

 そんな時、千秋が呟いた。

『今、椿と慎……間接キスした……』

「ぶはっ」

 只でさえ口の中が甘くて気持ち悪いのに、さらに気持ち悪い事言うなよ!!

 俺がそう思いながら千秋を見ると――

「って千秋!?」

 ――千秋は自ら極甘コーヒーに口をつけた。

『あっま〜!!』

「何で飲んだの!?」

 千秋だって気持ち悪がってたのに。

『えへ……これで椿と間接キス出来たね』

「!!!!」

 今、心臓を打ち抜かれました!!
 理性が持ちません!!

「ちょ……直接キスの方がいいだろっ!」

『――んっ』

 俺は思わず千秋の唇に直接キス――まぁ普通のキスなんだけど――をした。

『やだもう椿ってば……』

「間接より直接の方がいいだろって」

『…………っ』

 あ、照れた。
 可愛いなぁ。
 ってか俺も……恥ずかし……。

『見せ付けないでくれる、お二人さん?』

 慎が極甘コーヒーを飲みながら、冷めた目で俺を見ていた。

「ってお前千秋と間接キスしたなー!!」

 慎が今口をつけているのは、先程千秋が口をつけた所だった。

『お前達は中学生かっつーの!!』

 そんな俺に唐松さんがツッコミを入れた。


 ……いや、中学生ですけど。
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