一人鬼ごっこ
第二十章 年月


 あの行方不明事件――もとい一人鬼ごっこから3年の年月が流れた。

 あの千秋が消えた直後、いろんな場所で行方不明になっていた人の死体が発見されたという。
 京介の死体は京介の部屋で、千秋の死体はあの帰り道に。

 家に帰ったら、慎と直樹さんが待っててくれて。
 それから靖奈さんと葛西も来て。
 俺は思い切り泣いた。




『椿〜』

「おう慎、今日も行くか?」

『うん、だね』


 そうして俺達が訪ねたのは、直樹さんの家。
 最近ほぼ毎日行ってるから、第2の家みたいだ。

「こんちはーっ!!」

『ただいまー』

 慎、自分の家化してるな。

『何がただいまだ!』

 直樹さんが呆れた顔でやってきた。
 そう言ってる間に慎と俺は家に上がり込み、リビングへ向かう。

『あら、おかえり』

 リビングには靖奈さんが。

 ってか靖奈さん、おかえりって言っちゃってるし。

「ただいま〜」

 結局俺も言っちゃった。

「千明〜恭介〜!」


 実は、直樹さんと靖奈さんは結婚したのだ。
 しかも、その時に赤ちゃんまで。
 できちゃった婚ってやつだな、うん。

 そして双子が生まれた。
 千明と恭介だ。
 千秋と京介から名前を付けてもらった。
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