一人鬼ごっこ
『ね……それってやばくない?』

 千秋が、さっきとは打って変わって心配そうな表情になった。

「へ、何で?」

『……行方不明者の姿を最後に目撃した人が、次の行方不明者となる』

 慎が呟くように言った。

 ――――え!?

『朝のニュースで言ってた』

 慎が付け足した。

 急いでたからよく見てなかった。

「じゃあ京介の母親大丈夫なのかよ!?」

 その法則で行くと、次の行方不明者は京介の母親じゃねぇか!

『なぁに、大丈夫さ!! そんなのテレビ側が勝手に作った話だろ〜』

「あのなぁお前……」

 ポジティブで元気なのは京介の良いところだけどさ……何というか、危機感とかそう言うのねぇのかな?

『一応家に居ろって言っといたしさ!!』

 呑気だな。

『京介らしいね』

 千秋はまだ心配そうだったが、微笑みながら言った。

『呑気なところがね』

 慎が言った。

『いやぁ、それほどでも〜!!』

「褒めてねぇし」

 そんな話をしている間に、1時間目の終わりを告げるチャイムが鳴った。
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