UMI
第1章 思い出

第1節 日常

美空、美空、見てごらん。
こんな綺麗な貝殻見つけたよ。
美空にあげるね。



今度は向こうに行こうよ。
美空早くおいで、美空...



美空ー
遅刻するわよ。
起きなさいね。




はーい。




うーん、またあの夢か。
私の名前を呼ぶ男の子。
一体だれなんだろう?





ぼんやり考えながら、
ダラダラ準備をする。
たまーにこの夢をみた時には
なんだか寝不足。






おはよー、ママ。






まー、また冴えない顔して。
そんなんじゃ彼氏も出来ないわよ。






うるさいなぁ。
心配しなくても、パパよりいい男みつけるから。






さーどーだかね。
楽しみだわ。





私は地元の大学に通うごく普通の大学生。
両親は基本的に娘の私には干渉しない。
将来は公務員試験でも受けて
手堅く行こうかな、なんてぼんやり考えてる。







やっばーい。
遅刻する。
行ってきまーす。








はいはい
気をつけてね。









普通の日常。
特に不満もないし、
それなりに楽しい。
そんな毎日が過ぎて行く。
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