夏 ~日差しに照らされて~
『なんでって…なんでアルにそんなこと話さなきゃいけないわけ…?!いいでしょ…なんでだって。』
『高校ん時、何かあった?』
それは、図星だった。
アルはあたしに優しくきいたけど、あたしの心に刺さったままの棘(トゲ)はきっと他人のアルに話したところで癒えないと思う。
翔に話しても、全てが消え去ったわけじゃないんだから。
それでも、もしかしたら、この棘が抜けるんじゃないかと期待しちゃう自分もいる……。