夏 ~日差しに照らされて~
『何ですか?』
『久しぶり。まだ声で覚えてない?悪いけど、名乗らないよ!』
優しい笑顔で笑いながら名札をちらつかせる先生に、あたしは指をさして、
『あ~~!!!!!アル?!わかるわけないじゃん!髪型全然違うし、優しい雰囲気出してるし!わぁー…なんか振り向いて損した気分。』
あたしが冗談混じりに言うと、
『損した気分とはなんだ!まったく。』
呆れたようにまた笑った。
『でも、何で名札も“アル”なの?』