夏 ~日差しに照らされて~

『何ですか?』





『久しぶり。まだ声で覚えてない?悪いけど、名乗らないよ!』




優しい笑顔で笑いながら名札をちらつかせる先生に、あたしは指をさして、




『あ~~!!!!!アル?!わかるわけないじゃん!髪型全然違うし、優しい雰囲気出してるし!わぁー…なんか振り向いて損した気分。』




あたしが冗談混じりに言うと、





『損した気分とはなんだ!まったく。』




呆れたようにまた笑った。






『でも、何で名札も“アル”なの?』






< 233 / 471 >

この作品をシェア

pagetop