夏 ~日差しに照らされて~
『ひったくり~~~!誰か、誰かー!捕まえて…』
近くでおばあさんの声が聞こえた。
『ごめん……』
あたしは迷った。
ここで行ったら、今まで積み重ねてきたあたしは、完全に崩壊する…。
でも、迷ってるヒマはない。
それに…あたしは見捨てることなんて出来ない。
『ごめん…って……。』
『違う…違うけど、あたし……あたし、ほっとけない!』
あたしは声がした方に走った。
『行ったら、菊原が危ない目に!』