夏 ~日差しに照らされて~
外に出て帰りの道を歩いていると、何かの後ろに気配を感じたあたしは、真っ直ぐ帰るのはやめ、近くのデパートへと入り、人混みに紛れてその気配から一度隠れた。
確かに、誰かがつけてきてる…。
多分、青山社長の部下だとは思うが、相手の顔もわからないからどうしようもないし。
とりあえず……仕掛けてみるしかない。
あたしはデパートから出ると、あえて人気(ヒトケ)のないマンションの屋上へと登り、タンクの後ろに隠れてつけてきている人を待った。