夏 ~日差しに照らされて~
『……。』
聞いたことには答えず、急いで腕の縄を解(ホド)いたかと思うと、いきなり抱きしめた。
『アル、あたしは大丈夫……なんか、心配かけてごめんね…。』
そのアルが震えてたから、あたしは謝った。
『アル……帰ろ?こいつらが目…覚まさないうちに。バレたら困るんだ……居場所。だから…』
『怪我…治療してからな。この近くに知り合いの病院があるから、そこで俺が手当てする。来るの遅れてごめん。』