夏 ~日差しに照らされて~

『死ぬかと…思った…。どうしよう…って。』





『ちゃん…と戻って…きた…よ……。だから……泣かな…いで…。』




翔の涙は本当に綺麗すぎるから。
怪我をしたところよりも心が痛む。



手を伸ばすと、翔は手を握り返した。







『……。』





その後、何も言わずに優しくそっと抱きしめる翔に、あたしもそっと手を添えた。







ガラガラ。





『あ…わりぃー…。邪魔した。』




出て行こうとする仁に、





『じ…ん……久…しぶり。』






< 467 / 471 >

この作品をシェア

pagetop