夏 ~日差しに照らされて~
『もうさー、怖いもんなんてないだろ?皆がいる。田崎くんに言えなければ、俺でも大学の友達でもたくさんいるじゃんか。……あの頃だって、いたはずだよ。』
いたよ…知佳も進くんもいた。
いたから、何とか卒業出来たんだもん……。
でも、あたしは…もう誰も傷つけたくない。
『何が不安なの?…西野くんに逢って、田崎くんと再会して、やっと凍ってた心が溶け始めたんだろ?また凍らせちゃうの?これから先、どうなるかはわからないけど、それもまた運命ってもんなんじゃない?』