2番目の女
『それは…そんなんじゃねぇよ。…似たような境遇だったからで…』


「それでも、いいの。私は誰かに聞いて欲しかったんだ。誰にも知られないでこのまま終わってしまった時、私の気持ちまでなかった事になっちゃってたもん。」




トモ君は誰にも話していないだろう。


私も康太に出会わなければ、誰にも言わなかった。




『まだ終わってないんだから、そんな事言うなよ。自分で言って悲しそうな顔するな。』



そう言って抱きしめてくれる康太。


康太の胸の中は暖かくて、抱きしめられている時は、寂しさを忘れられた。






きっと康太は、私を抱きしめているとき、彼女の事を想っている。


康太の気持ちに気付いてない彼女の事。



いつも私を抱きしめてくれる康太は、少し震えてて、彼女への想いの強さを私はわかってしまう。



お互い違うの人を想いながら、抱きしめ合うだけの私達。



報われない想いを抱く同志





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