黄砂の降る町
1年前この町に来た時、私は希望に満ち溢れていた。
就職のために一人暮らしを始めて、
仕事もまだ未知数で、
これから一生懸命頑張って、
自立した大人の女性になるんだと思ってた。
元来私は、自分の気持ちははっきり言う方で、
仕切るのも好きだし物怖じもあまりしない。
だから仕事だって張り切っていて、新米ながらも意見を一杯出した。
けれど、先輩からは生意気だと言われ、
出した意見は見事な程却下される。
私は提案だと言っているのに、
減らず口だと言われて終わってしまう。
そんな事を続けているうちに、余計な事は言えなくなった。
結果、仕事は言われたことをこなすだけ。