貧乏お嬢様と執事君!
お嬢様、まずはプロローグへと参りましょう
「鷹司さん!本当におうちに遊びに行ってもいいの?」
ブラウンのストレートヘアーをなびかせながら優雅に歩く鷹司さん、とやらは後ろにいる数人の女子生徒を振り返りながら微笑んだ。
「もちろん。何のお構いもできないけど、いいんだったらね!」
高貴なオーラを撒き散らしながら微笑む鷹司に、ほぅ………と女子生徒は見とれた。
お嬢様学校、ゼフィール学園。
薔薇の花をモチーフにした紋章を飾ったどでかい学園である。
白いふわりとした制服は、鷹司が着ると天使と見間違うほど似合っている。
見た目からはとても大きな財閥の娘を思わせる。
なのに自分の美しさを鼻に掛けず、気軽に接してくれる鷹司は学園の人気者だった。
その家に遊びに行ける後ろの女子生徒は心から光栄に思っている。
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