貧乏お嬢様と執事君!


「………やっぱし行くわ」


「アメリカから帰ってきた妹が目の前に現れたらぜってぇ驚くぜ?」


レンの茶化しの乗らず、由姫華は着替えを終え、新しく着こんだ赤い制服を見つめ


「カイトも驚いてくれるかしら」


わたしきれい?と口裂け女のように何度も聞いてくる由姫華に、毎度毎度の連の答えは変わらない。


「あぁ。綺麗だ」


満足そうに鼻を鳴らし、由姫華は黒髪を後ろへ跳ねのかし


「………また会えるのね『お姉様』?」


くつくつと不敵で上品な笑いを洩らす由姫華を、面白そうにレンは遠くから由姫華に向かってタバコの煙を吹きかけた。




< 226 / 333 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop