貧乏お嬢様と執事君!
鷹司さーん………と、元凶である美女に泣きながら呼びかけると
「………ふぇ~綺麗だなぁ」
まだツリーの余韻から抜け出していなかった。
いつものことなので落胆はしないが、ちょっと落ち込む。
「そろそろ帰ろうよ。怒りすぎて暑いよ僕」
「あら風邪?馬鹿は風邪をひかないとかいうのはデマかしら」
「そのまま高熱で倒れてください」
「もういいよっ!」
夜空に井筒の声がどこまでも響き渡ったそうだ。