貧乏お嬢様と執事君!
お嬢様、カイト特製カレーライスのレシピは秘密でござます
年が明け、3か月の登校日が終わり、また春休みへと移り変わった。
休みが終われば鷹司たちは最高学年へと上がり、残すところあと1年となる。
それがいいことなのか悪い事なのかは能天気な鷹司にはよくわからなかったが、一応進路の心配もしているのである。
呼び戻しがかかればいいのだが、今のところかかる気配はない。
伯父の声がなければ鷹司は家へもどれないのだ。
それが、カイトの胸を強く締め付けていた。
お嬢様に、こんな苦しい生活を後1年ほども過ごさせなければならないのか。
どんな人間でも好きな人には幸せになってほしい。ろくに食事もできないこんな家で一生を終えてほしくないのだ。
カイトにはそれは素敵なアイデアに思えたが、カイトだけの自己満足。
一刻も早くお嬢様を鷹司家に反し、父の愛をたっぷり受けて笑ってほしかった。
それが、今のカイトの願いだった。