貧乏お嬢様と執事君!
春休み2日目。
賢い鷹司は着々と宿題を終わらせていっているころ。
来問者が現れた。
エンジン音を炊きつかせながら家の前でとまる音をカイトが聞きつけた。
集中力がすさまじい鷹司は数学の問題書を睨みつけている。
「はーい。只今ー」
どうせ新聞勧誘かセールスマンだろう、と決めつけて気楽に玄関へ駆ける。
水で濡れた手をハンカチで拭いながら彼はやや建てつけの悪いドアを開ける。
そこにはサングラスと薄手で毛皮のジャケットを羽織った女性が。
後ろでは見慣れた赤髪が揺れていた。
リムジンが自動に発射していった。
「ここは何?倉庫?」
それが由姫華の第一声だった。