貧乏お嬢様と執事君!
バッサリ切ったショートカットをなびかせながら由姫華はどなった。
「ぐっ愚民はないだろう!由姫華さん!」
「あら。そう?私としては当たり前のことを言ったつもりなのだけれど」
腕を優雅に組み、頭を斜めに擡げる由姫華に井筒は息を詰まらせた。
彼女の襟もとには銅バッチがつけられている。
「後輩のくせしてなかなかの口達者ぶりだわね」
「ふふっ貴方の腹黒さにはかなわないわ」
毒舌と毒舌を交わしたところで、変わり映えのないレンがあくびをかました。
「あっ由姫華、髪切ったの?」
真っ白な歯を見せつけながら鷹司が聞くと、数秒ため
「邪魔だからね。貴方みたいに」
「そんなこと言わないでよ~」
ふんっと鼻で笑いそっぽを向いてしまった。
レンがカイトにすり足で近づいた。