貧乏お嬢様と執事君!
「………ん」
「どうしたの櫻子?」
登校中、椿野の異変に気付いた鷹司は顔をしかめた。
「気分でも悪い?」
心配そうにのぞきこんでくる鷹司に、椿野は安心させるようなほほ笑みを返した。
「なんでもないわよ。貴方はなにも心配なんてしなくていいの」
おかしな答えに、鷹司は頭の上に?を次々と浮かび上がらせた。
玄関につき、飴いろの下駄箱を開いた瞬間
ばっさばさーとまるでマンガのような量の紙きれば中を舞った。
「やっぱりね」
自分のスリッパをはき終えた椿野は遠くまで待ったいちまいの手紙を指の間に挟んで呟いた。
「今日は多い日だもの」