屋上教師


「そりゃ、はじめてあったからな」


あくびをかましながら男は頭をかいた。


「ん~今日来たばっかなんだけど。朝会で紹介」


「サボってたから、知らない」


あ、そうと軽く返し、男はきょろきょろを狭い屋上を見まわした。


「へー……いいところじゃねぇか。ここ、使わせてもらうぜ」


勝手に使用発言をし、男はドアの近くの日陰になっているコンクリートの壁に背を預けた。


私の目から視線を外し、どこを見ているのかわからない目で虚空をボーと見つめだした。


しばらくの沈黙を破ったのは、苛立った私の声音だった。


「つーかなに。あんた教師でしょ一応。なんでこんなところにいんの」


新任ならいろいろと仕事があるはずだ。


「ん、お前と同じ」


つまり、サボってるというわけか。



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