初恋プーサン*甘いね、唇
.○chapitre4:28分の1
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奮起というのは、とかく持続力がないものだった。
処方されたなにがしかの薬のように、1日何度か「よし!」という気合いを正しく服用し、決意の薪をくべて汽笛を鳴らさなければ、すぐにしぼんでしまう一過性の感情だ。
それなのに私はその処方を誤り、ひと晩経っただけでとんだ利子がついてしまい……。
元の自分よりも臆病な自分に、リバウンドしてしまった。
せっかく、マスターにアイスティー2杯もおごってもらったのに。
あまりにも早い萎え具合に、自分でも失望。
「はあ……」
カウンターでため息をついていると、隣でパソコンを扱ってデータ検索をしていた美咲が声をかけてきた。
「どうしたの?昨日のデートの名残惜しさ?」
「違うって」
美咲には、当然のことながら真っ先に昨日のことを聞かれ、洗いざらい話していた。
いや、無理やりさせられた、というべきか。
どんなにごまかそうとしても、行き着く先は自白なのだ。
私の頭の回転がのろいのか、彼女の話術が巧みなのか。
やれやれ。