snow tear
プロローグ
私の家庭は幸せだった。
私・妹・お母さん・お父さんの四人家族で、家は特別裕福でもなく、だからといって、特別貧しい訳でもない、いわゆる゛普通″の家庭。

けれど、家の中には、いつも何か温かいものが流れていたんだ。
たとえ、どんなに静かな時でも、お互いの心が通じ合うように、しっかりとした、固い家族の絆がそこにはあったんだ。
そして、気付かぬ間にそれが゛当たり前″になっていたの…。

ねぇ…
どうして゛幸せ″って、こんなにも簡単に崩れていってしまうのかな?

どんなに小さくても、確かにそこにある゛当たり前″が本当の゛幸せ″だってことに、どうして人は大切なものを失ってから気が付くのだろう…?
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