風子仕様の恋模様。

気づけば先ほどまで痛かった腕は開放されていた
かわりに背中には男の腕がまわされ、すっぽりと包み込まれている。


「ちょっと本当に離してほしいんだけど!」


もがくと余計に力をいれられグッと胸に押し当てられる。

そして耳元に男の顔が近づき


「なら惚れさせてやろうか?」


そっと囁かれ…

あまりにも艶っぽく言われたものだから、背筋にゾクッとするものを感じてしまった。


「いやあの、結構です!!」


慌てて顔をあげ頭を左右にふった。
そんな私を見て男はフッと笑ったかと思うと、背中にまわしてした腕を移動させ私の後頭部へ。


「え?」


そう思った時には唇に柔らかい感触と、ほろ苦い煙草の香りがひろがっていた。
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