風子仕様の恋模様。
今日も相変わらず乗車率は100%。
航大がいなかったら、私は潰されてんじゃないかと思う。
そんなことを考えていたら頭上から声がふってきた。
「風子。」
「ん?」
「………まじで男できたの?」
あぁ、この子は男できたと勘違いしたまんまだったんだ。
「違う、違う。
そんなんじゃないよ。」
笑いながら軽い気持ちで言ったのだが、航大からは予想外の返事が。
「じゃあどんなの?」
「は?」
「そんなんじゃない。って言ってるけど、男関係でなんかあっただろ?」
おおおおおまえはエスパーか?!
「なんでそう思うの?」
「さっきの風子の反応。」
ああ、確かにあのフリーズは致命的だったな。
かと言って資料室で無理矢理キスされました!なんて高校生に言える訳もなく、
「オトナの事情です!」
とだけ答えると、あきらかに航大の眉間にシワが寄った。