風子仕様の恋模様。

今日も相変わらず乗車率は100%。
航大がいなかったら、私は潰されてんじゃないかと思う。

そんなことを考えていたら頭上から声がふってきた。


「風子。」


「ん?」


「………まじで男できたの?」


あぁ、この子は男できたと勘違いしたまんまだったんだ。


「違う、違う。
そんなんじゃないよ。」


笑いながら軽い気持ちで言ったのだが、航大からは予想外の返事が。


「じゃあどんなの?」


「は?」


「そんなんじゃない。って言ってるけど、男関係でなんかあっただろ?」



おおおおおまえはエスパーか?!


「なんでそう思うの?」


「さっきの風子の反応。」


ああ、確かにあのフリーズは致命的だったな。

かと言って資料室で無理矢理キスされました!なんて高校生に言える訳もなく、


「オトナの事情です!」


とだけ答えると、あきらかに航大の眉間にシワが寄った。
< 41 / 54 >

この作品をシェア

pagetop