風子仕様の恋模様。

ってまって……


大きな仕事って言った?


「あっ…専務っ!!」


慌てふためく私とは対照的に、いたって冷静な専務は無言でスタスタと医務室へ足を進める。


幸か不幸か他の社員に出くわすことなく医務室まで来れたのだが………


中に入るとカーテンで仕切られたベットが二つに、薬品の入った棚があるだけでいたってシンプルだ。


「なんだ、医者とかいないのか?」


「先生が来る曜日が決まってて…」


そう。医務室とは名ばかりで忙しすぎる社員が少し休みに来たりする

いわば仮眠室。


キョロキョロと見渡していた専務の視線が自分に向けられる。



「そうかじゃあ今日は医者のいない日か……」


「あっ、はい…」





「ちょうど良かった。」




はい?


フッと笑った専務はそのまま私の体をベットへ横たえた。
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