白愛〜ホワイトLove〜
彼は、大学のキャンパス

の校舎の奥にある

サッカー部の部室に

私を連れて行った。


私は中学、高校と部活動

をしていなかったため

部室という場所には無縁

だったから なぜか異様に
神聖なる気持ちになった。

汗が染み付いたジャージ

がそこらじゅうに無造作

に置かれ、壁には
”目指せ!国立競技場!

”とかゆう、いかにも青

春!なんて思ってしまう

垂れ幕が掛かっている。


私は 始めてみたい光景に
もの珍しく辺りを見回し

ていると

「ごめんな。

いきなり、ボールぶつけ

ちゃって。

これで、頭冷やして。」


彼はビニール袋に砕いた

氷をめいいっぱい詰め込

んで、私に手渡した。
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