有馬さんは宇宙人


 しばし硬直していた南さんが、我に返ったように間抜けな顔で口を開く。

 ろくなことを言わない気がする。


「なに、お前有馬のことが好きなの?」

「……なんでそんな答えが出てきたのか聞きたい」


 別にそんなことは一言も言ってない。

 ただ、何故あえて口にしたのかは俺にもわからなかった。気付いたら言ってた。

 宮瀬さん達よりも、有馬さんのが美人だとも思うし、黙ってれば可愛いのだ。話すのだって、嫌いではない。

 それは本当で、つまりただの事実なのだ。

 それだけである。


「別に変な意味ではないよ」


 あっけらかんと俺が言えば、南さんも俺のいつもの雰囲気に「なんだ、つまんねえな」と吐き捨てた。

 流石の有馬さんもこれくらいことは受け流せるだろうと彼女を見て、今度は俺が固まる番だった。


「き、貴様!私に性的興奮を覚えているのか!」


 もう返す言葉も見つからない。

 先程以上にキョドりながら訳のわからない事を叫ぶ有馬さん。

  ただでさえ病気のような白い肌なのだ。頬を染める赤が可哀相な程によく映える。

 前言撤回、やっぱり有馬さんは面倒だ。


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