有馬さんは宇宙人
「隊長の私をそんな目で見ていたとは!見損なったぞ!」
ただ褒めただけだと言うのに、最低の次は見損なわれてしまった俺。最早手遅れである、色んな意味で。
酷い仕打ちに唖然としていれば、有馬さんは叫び散らし勢い良く保健室を飛び出していってしまった。
勿論窓から。
静まり返る基地内。溜め息を付いて長椅子に腰掛ければ、南さんが「どんまい」と笑った。
「あいつもあんな顔するのか。意外にイケるな、お前もそう思ったろ」
「教師が何言ってんの」
実際俺もかなりびっくりした。
顔を真っ赤にする彼女は隊長の有馬さんというよりは単なる女の子のようで。
そういう雰囲気があまり得意ではない俺にとってはとても困る反応であり、対処の仕方などわからなかった。
案の定有馬さんは勝手に激怒しどこかに行ってしまったし、酷く面倒臭いと思っている自分がいる。
「隊長が消えた訳だし、帰る」
何のために集まったんだか。
もう一度色んな意味を込めて溜め息を漏らす。と、保健室の扉が開き、負傷した運動部らしき生徒が入ってきた。
「おう、じゃあな最低男」
愉快な笑顔を浮かべる南さんのスネを一蹴りして、運動部の生徒と入れ違いに基地を出た。