有馬さんは宇宙人


 次の日、有馬さんは裏庭に顔を出さなかった。

 だから何だ、と言った話しなのだが。

 毎日来るとも限らないし、そもそもたまたま彼女と3日間共に過ごしただけで、むしろそれのが奇跡なのだ。

 たがどことなく残念な気分になっている自分がいた。


「あー、寒い」


 そもそも、もう寒いしいい加減この中庭に来るのも止めようと思っていたのに。

 何故か足を運んでいるのだ。

 もしかしたらまた有馬さんが来るかもしれない。そう考えたのも事実で、だからこそ現れない有馬さんにがっかりしっているのだろうか。

 来なくて良い場面で現れて、来て欲しい時に来ない。まあ俺が言えたことではないのだけど。

 マイペースな俺にこんな思いをさせるなんて、やっぱり有馬さんだ。

 何だか色んな意味で、彼女に勝てる気がしない。


「そーいえば、今日金曜日か」


 流れる雲を眺めながら、呟く。

 勿論休日は嬉しい。だが、あまり曜日に捕われて生きていないので、そんなに喜ぶことでもない。

 休みでも学校でも俺が何か変わるわけでもなく、相変わらずなのだ。


「月曜日は、来るかなあ」


 昨日不本意ながら怒らせてしまった彼女を思い浮かべ、呟いた。

 相変わらず、雲は自由気ままに風に流されていた。



       02.end

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